歯科はコロナウイルス感染リスクは実は低い?

 最近、メディアで、歯科がコロナウイルスの感染リスクが高いとの報道があったようです。

 果たしてそうなのか、各国の研究結果、国内の感染例を基に、考察してみたいと思います。

 まず、コロナウイルス感染例ですが、現在42万人ほどの歯科医療従事者の中で、感染経路が不明なコロナウイルス感染者は、数人との報告が上がっております。つまり、歯科医療従事者のコロナウイルス感染率は0,001%程と考えられます。

 一方、現在日本の全感染者は1万2千人ほどであり(4月21日現在)、全人口を1億2千万人とすると、感染率は0,01%程です。

 つまり、歯科医療従事者がコロナウイルスに感染するリスクは、単純に考えると外出自粛前の日常生活で感染するよりも1/10の確率の低さの様です。

 もし、一部報道にあったように、歯科医療従事者が本当にウイルスに接触する機会が多いのであれば、この様な少ない感染率のはずがありません。

 そもそも、歯科では以前から、コロナウイルスよりも脅威である肝炎ウイルスや、エイズウイルス等に対応できるように、滅菌、消毒、環境消毒が徹底されている医療機関が多いのです。

 また、ほとんどの歯科医院では、診療前に患者さんに消毒剤入りのうがいをしてもらっているため、口腔咽頭のウイルスは治療開始時にはかなり減少しています。当院でも、ウイルスを不活化させるリステリンを使用しています。

 また、コロナウイルスのPCR検査をしている場面をテレビなどで見る機会もあると思いますが、鼻の穴から、咽頭部まで相当奥に綿棒を入れて、検体を採取しています。つまり、コロナウイルスは鼻の奥や咽頭部に感染するものであり、口腔内の唾液中には、咽頭部や肺からの分泌物が混ざる可能性があるとのことです。(https://academic.oup.com/cid/article/doi/10.1093/cid/ciaa149/5734265)

 感染の原因は、ウイルスを持った方が、咳やくしゃみをすることで、喉や咽頭の分泌物が飛沫となり飛ぶことで、それに触れた方が感染をする、直接感染です。

 しかし、安心なことに、口腔内にウイルスが入ったとしても、ほとんどの方はすぐさま唾液中の粘膜免疫であるIgAと結合し、ウイルスは無毒化され感染能力を失います。(https://www.otsuka.co.jp/b240/mechanism/mechanism2.html)

 ところが、口腔内が歯周病などで細菌が多い状態であると、インフルエンザウイルスは粘膜に取りこまれてしまう恐れがあり、コロナウイルスでも同じようになる恐れがあります。(https://www.dent-kng.or.jp/colum/basic/608/)

 先日アメリカではコロナウイルスのPCR検査を、唾液からも可能と認定したようですが、そのもととなる論文に記載されているように、唾液の採取は、被験者自ら喉から痰を絞りだし、それを唾液とともに提出する方法であり、結局は喉や肺の分泌物を検査する方法となっています。(https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/keyperson/19/00033/)

 さて、それでも確かに歯科医療では、条件によっては患者さんのお口から飛沫が飛ぶと言われています。その飛沫の中に、喉や肺の分泌物が混入する可能性は少ないながらもゼロではありません。

 ですので、受診する歯医者さんを選ぶ際は、ちゃんと診療台との間に、壁もしくはしっかりとしたパーティションがあると安心かと思います。なぜなら、お口から飛んだ飛沫はすぐに下に落下するからです。

 コロナウイルスに過度に恐怖を感じることで、患者さんの必要な治療が遅れ、状態が悪化しないでほしいと、我々歯科医療従事者は切に望む次第です。

 

 

もろとみ歯科

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